時計の文字盤はもうすぐで明日が来ることを告げている。

シンデレラならそろそろ帰らなければならない。


目の前のおじさんがシンデレラなわけないか。

そう思ったらちょっと笑えた。


「何、笑ってんの?」

「いや、本当に来るとは思わなかったので。」


そう言って私はグラスにウーロン茶を注ぐ。

私は自分用にワインをグラスに注ぐ。


この状況、酔ってないといられない。


「お風呂入ったの?」

「髪の毛まだちょっと乾いてないです。」

「いいじゃない。」


肉厚の手が私の頭を触る。


「早く脱ぎなよ。」

「本当にするんですか?」

「するよ。」


そう言ってパジャマの上から胸を触る。

「大きいね。」



愛の言葉もない。

嘘でもいいから、演技でもいいから。

私はワインをもう1杯飲む時間の間だけ待つ。


後ろから両腕で抱きしめられて

私はワインをあおった。