念入りに身体を洗って毛を剃る。

薔薇の香りのボディクリームを塗る。


「奥さんに匂いでバレるだろうか?」


知ったことではない。

浮気がバレても私は知らない。

いやいや私は別に抱かれることはない。

念のためだ、念のため。


太朗先生が来たとして

どんな格好で待っていればいいのだろうか。

それも悩んだ。


パジャマでいいか。


そう思って

お気に入りのピンクのワンピースになっているパジャマを着た。



「そろそろ着きます。」



本当に来た。

生乾きの髪を後ろで束ねて私は携帯を片手にマンションの下へ向かった。