高橋君も私が当たってまもなく景品を当てた。


「俺、肌きれいなんでここにいる女の子たちとじゃんけんして
 勝った子にこの景品をあげたいと思います。
 景品を貰ってなくて、美顔器欲しい子集まってください。」


そう高橋君が言うと女の子たちが群がってじゃんけん大会が始まり

私の知らない女の子が美顔器を手にしていった。


「杏子ちゃんはじゃんけん参加しなかったの?」

ビールを他のメンバーの分も頼みながら聞かれる。

「私は景品貰っちゃったから参加しなかった。
 でも美顔器の方が良かったな。」

「そうだよね。」


周りの乾杯や声はあまり耳に入らなかった。

同じ年の男の子が目の前でビールを飲んでいる。

話は弾んでいる。

おそらく、彼も私に好意を持っている。

視線で分かる。

私も彼に好意を抱き始めていた。