定義はいらない

夜勤中に携帯をのぞくと

佐々山先生からメールが届いていた。

「松木と一緒に風呂入ったよ。あいつの元気なかったよ。」

「大きければいいってものじゃないですよ。」

本当に笑える。

医局旅行を想像して私が夜勤をしているのが残念だった。

普段、別に医者の仕事を羨ましいなんて思わないけれど

女だけの社会よりよっぽど楽しそうだ。

今夜は宴会だろう。羨ましい。


夜中の0時頃に休憩に入っていると

「今、話せるか?」

という松木先生からのメールが届いていた。

携帯の文面からすら伝わる緊迫した雰囲気に

私の心臓は飛び出しそうだった。


何か悪いことが起こった。

私の第六感が伝えている。


返信をしたくない方に気持ちが揺れた。

夜勤中だし。

けれど、このままこのメールを放っておけば

仕事にならないことは分かっていた。

悩んだ末に電話を私からかけた。