定義はいらない

「何か飲む?」

彼は脂肪が燃えるとかいう宣伝文句の烏龍茶を手にしていた。

私はワインを希望する。

冷蔵庫の横にはワインセラーが置いてある。

「おっ見つけちゃいましたか。」

「うん。」

「ピノ・ノワールが好きって言ってたから、準備させて頂きました。」

そう言って、彼はワインセラーからワインボトルを1本取り出す。

私が電話でリクエストしたのをどうやら覚えていてくれたらしい。

「ありがとう!」

「空けようか?」

「うんうん。」

私はうきうきしてしまう。


「それにしても本当にいっぱいだね。」

「何か見る?」

「どういうのがいいの?」

「何でもあるよ。」

「熟女系とか?」

「あぁ~そういうのはないや。俺、熟女に興味ないもん。」

「じゃあ女子高生ものだ。」

それは否定しなかった。

「なんか笑えるやつにする?企画もののさ。」

「うん、笑えるのにする。」

「分かった。」


松木先生が選んできたDVDは

AV女優たちと一般男性たちとがバスツアーを楽しむというもので

バスの中やら部屋やら、

まぁびっくりするくらいいろんなところで

セックスしまくっているという

何とも笑えない内容だった。