定義はいらない

「だからね、まどかも参加してよ。」

「またぁ?」

「うん。」

「いつ?」

「2週間後の月曜日。」

「私、次の日仕事なんだけど。」

「私は休み。」

「杏子はいいけどさぁ~。」

「佐々山先生がどうしてもって言うからさぁ。」

「それ、私が行かなきゃいけないの?」

「『私』がいなきゃダメでしょ。」

「えぇ~。」


ホントは内心嬉しいくせに、めんどくさそうにまどかは渋る。

めんどくさい。

それでも、佐々山先生と松木先生と私の3人なんて絶対嫌だから

私は下手に出るしかない。


「お願い!」

「分かった。」


ほっと胸を撫で下ろす。

これで電話を切って睡眠薬を飲むのは嫌だった。

その前にきっと私はまた泣いて眠れなくなってしまう。

私が切れないでいるとまどかは思い出したように口を開く。


「そういえば、松木先生長野に行くらしいね。」

「誰から聞いたの?」

「佐々山先生。」



もしやと思った。