定義はいらない

「知ってるわけないじゃないですか。」

「ふーん。」


ドキンドキンドキン。

興味がありそうにまだこちらを見ている視線が痛い。


「鈴木、あいつは止めときな。」

「なんでですか?」


ドキンドキンドキンドキン。

私の勝気さが耳を塞ぎたい気持ちに勝ってしまう。


「報われないよ。」


そう言って、椅子から立ち上がると

「じゃ、飲み会のセッティングよろしく。」

と肩に手を置いて去って行った。



ほら、私の好みじゃない。