「あれは植物なの。ちょっと変わった植物。お客さんだって、あの子が日に日に育っていくのを見たでしょう?」

「とても…信じられません」

「なら、もう少し育つのを待ってみて。そうしたら信じられるようになると思うから」

女にそう言われ、渋々店を出た。

あの女、僕を上手く丸め込んで、逃げるつもりかもしれない。

そう思う反面、女を信じる気持ちもあった。
あれは少し変わった植物で、人間の形をした…。いや、ありえない。

取り敢えず家に帰って、落ち着いて、そうだ。警察に連絡しよう。
そうすればいいんだ。
そうだ。僕は馬鹿だった。