「クラシックコンサートは、お気に召しませんか」 突然、後ろから声がして、慶志朗の悠々とした笑顔が現れる。 「いいえ……そのようなことは」 祐雫は、驚いて立ち上がる。 「みなさん、ティーサロンで、寛いでいますよ。 祐雫さんには、苺ジュースをお持ちしました」 慶志朗は、給仕係からグラスを受取って、祐雫に手渡した。 (何故、祐雫には、苺ジュースでございますの 祐雫は、幼いから……) 祐雫は、慶志朗からグラスを受取って、苺の香りに包まれた。