「……何かあったの?」 「何かって程じゃないけど、夢を見たの」 「夢?どんな?」 「恥ずかしいけど、好きな人がピンチから救ってくれた夢。うーん……私気持ち悪いね」 舞ちゃんはそう言って笑う。 ってか、その好きな人って……。 その夢、あながち間違ってないよ、舞ちゃん。 「でも、もう会えないから、卒業するの。……もっと早くにするべきだったけどね」 舞ちゃんが携帯を閉じる。 「その好きな人って……」 空木さんだよね?と訊こうとした時、部屋にノックの音が響いた。