お母さんの顔をこそりと見ると、がっつり目が合った。
……さすがにお母さんに嘘は吐けないか。
「このお2人は、探偵、さん、です」
宮間さんと東屋さんを手で示し、切れ切れにそう言うと2人は立ち上がってお母さんに会釈する。
「で、こちらは3階に新しく引っ越してきた空木さん」
空木さんも立ち上がり、よろしくお願いします、と頭を下げる。
そして、宮間探偵事務所に依頼したきっかけから今日あった事までお母さんに話したところで手術が終わり、舞ちゃんが個室に運ばれる。
傷はそんなに深くなく、宮間さんの応急処置のおかげで大事には至らなかった。
でもまだ今は、顔色が悪い。
白いベッドの上で眠っている舞ちゃんを見てから音を立てないように廊下に出る。

