静かな病院のロビーに並んでいるソファーに座って、舞ちゃんが運ばれた方をじっと見ていると、名前を呼ばれた。
聞き慣れた安心する声に振り向くと、白い看護服を身に付けたお母さんが立っていた。
「瑠稀?ここで何やってるの?こんな時間に……」
「……おか、さ……。ま、舞ちゃん、が……」
いつもと違う様子のあたしに、落ち着いて、と言ってからお母さんが隣に座る。
そして、赤ちゃんをあやすようにリズムを取って背中を叩く。
「こちらの方は?」
あたしが落ち着いて話せるようになった頃に、お母さんが宮間さん、東屋さん、空木さんを見て、口を開いた。
「あ……えっと……」
探偵とか親に話していいものなの?
それに、所長さんも依頼受けてくれたから今まで気にしなかったけど、未成年者が依頼って大丈夫なのか?

