「莉央、車!」
「すぐ出すっ」
東屋さんの返事を聞くと、宮間さんが舞ちゃんの身体とベッドの間に手を差し込み、持ち上げようと力を入れる。
すると、俺が運びます、と空木さんが宮間さんの肩に手を置く。
空木さんの目を見ると、宮間さんは立ち上がってそこを退く。
そして、空木さんが舞ちゃんを横抱きにしたのを見ると、何も出来ずに固まっているあたしの腕を引っ張って部屋を出る。
リビングで気絶して倒れている高岡さんを横目で見て部屋を出て、3階で停まっていたエレベータ―に乗り、1階まで下りる。
東屋さんに車を飛ばしてもらい、病院まで舞ちゃんを運んだ。

