男性がもう一度チャイムを鳴らすと、少ししてから玄関のドアが開いた。 東屋さんはサッと玄関の陰に隠れる。 出てきた高岡さんを見て、宮間さんは目を細める。 「こんばんは。隣に越してきた空木(ウツギ)です」 男性、もとい空木さんが持っていた熨斗紙で包まれた物を渡す。 よく引っ越し先で配る、タオルか何かだろうか。 「あぁ、どうも」 と、高岡さんが受け取る。