「あぁ、瑠稀ちゃん。どうしたの?」


新聞を読んでいた管理人さんが驚いた様子で顔を上げ、窓を開けてくれた。


「舞ちゃん見ました!?」


「大森さんかい?見たよ」


「何時ごろ!?」


「何時ごろだったかな……」


管理人さんが手で顎をさする。


「早く思い出して!」


「……あぁ、6時半ごろだったかな。挨拶をしてエレベーターに乗っていったよ」


「誰かと一緒だった!?」


「いや。エントランスに入って来た時には1人だったよ」