びくりと体を震えさせ、携帯を見た舞ちゃんが、所員さんに頭を下げてからホッとした様子で電話に出る。
「お母さん?どうしたの?」
相槌を打ちながら話を聞いていた舞ちゃんの顔が青くなる。
「だっ、大丈夫なの?……うん……じゃあ、今から帰るから」
電話を切った舞ちゃんが正面を向く。
「あの、今から実家に帰らせていただきます」
「どうかしましたか?」
「実家の母が足を怪我したみたいで……」
「舞ちゃんのお母さん、1人暮らしだったよね!?すぐ帰ってあげなきゃ!!」
慌てるあたしに、舞ちゃんが優しく声をかける。
「大丈夫だよ。大した怪我じゃないみたいだから、1週間安静にすれば後は平気だってお医者さんにも言われたみたいだし。それくらいで私もこっちに戻って来るよ」

