9階に着いたところで、上の階から黒髪の男の人が整った顔をしかめながら下りてきた。 上で働いてる人かな? いやでも、働いてる、には若い気が……。 そんなことを考えながらその人と会釈をかわし、『W・R探偵事務所』と書いてあるプレートがあるドアをノックする。