「……ありがとうございます。しかし、依頼は『ストーカーをどうにかする』ことでしたし、報酬は受け取れません」
頑固だなぁ。
どうやって受け取らせようか悩んでいると、またノックの音が聞こえた。
舞ちゃんが所員さん達の方を窺う。
「我々はこれで失礼します」
宮間さんがお辞儀をして、4人が部屋を出て行く。
そして、入れ違いで入ってきた男性を見て舞ちゃんが息を呑む。
「っ……ど……して……」
「お見舞いに」
そう言って、空木さんは白い箱をベッド備え付けの机の上に置く。
「なん……」
「昨日の事件に居合わせたから」
「え……?どういう……」
「305号室に引っ越してきたんだ」
「え?……もしかして、瑠稀ちゃんが言ってた『空木さん』って……」