学校説明なんて、イライラしすぎて耳に入ってこなかった。
 
私の斜め後ろの捺季は、私に同情の目を向けている。
 
「黒澤氏ね。
黒澤氏ね。
黒澤氏ね。
黒澤氏ね。
黒澤氏ね。」
 
帰り、捺季とアイスを食べに行く約束をしていたので、先生に用事がある捺季を(ぶつぶつ言いながら)、玄関で待っていた。
 
 
ピョコピョコッ
 
「…………え。」
 
なぜか、私の前を通り過ぎるウサギ。
 
ウサギの後を追っているのは、網を持った飼育委員達。
 
 
「ま~て~え~~~い!!!!!」
 
 
 
「……ご苦労様です。」
 
ウサギと飼育委員の奮闘を見届けようと思った私は、軍団が向かった先へと歩く。
 
 
 
「………ヤバい」
軍団を見失ったあげく、広い校舎で迷子になってしまった。
 
仕方なくもときた道を辿り、玄関を目指したのだが。
 
 
「……なんで屋上?」