「優芽、俺らのバンドのボーカルになってくれ」
「晴空先輩たちのバンドのボーカル…」
「ああ。俺ら、コイツだ!って思えるヤツが現れるまで待ってたら、結局、1年間誰ともバンド組まないまま終わったんだ…」
「あたしが…ボーカル…?」
「やっと見つけたんだ!! コイツだ!って思えるヤツ。それが優芽なんだ! 俺は、優芽の容姿とか関係なく、声に惚れた。優芽しか居ないんだ!!」
ボーカルって…こういうことだったんだ。
今まで、こんなにもあたしを必要としてくれた人は居たかな?
あたしの夢は…ついさっき、変わった。
変えたのは、晴空先輩だよ…。
答えはもう、決まってる。
「これから、よろしくお願いします!」
「やった!! 良かったな晴空!! 俺、ちょっと行ってくる」
あたしの返事を聞いた途端、巧先輩はどこかに行ってしまった。
晴空先輩は言葉は発さなかったけど、これからの期待と希望に満ち溢れているような顔で微笑んできた。
入学式で舞台に上がっていたときのように、キラキラとした顔をした晴空先輩。
あたしもなんだか嬉しくなって、顔が自然と笑みをつくった。
さっき、晴空先輩が言ってくれたみたいに、あたしもこの気持ちを伝えたい。
あたしは、晴空先輩から少し目をそらして、話し始めた。
「あたしもさっき、入学式で晴空先輩を見たときに、この人だ!って思いました。晴空先輩があまりにもキラキラしてて、眩しくて、あたしも晴空先輩みたいにキラキラしたいって思って…って、あたし、何言ってんだろ…」
あたし、バカでしょ。
思ったこと、素直に言いすぎだよ…。
もう~ほんとに何言ってんだろ…。
自分で言っておきながら、すっごく恥ずかしくなって、きっと今のあたしは顔が真っ赤だと思う。
それでも、晴空先輩の表情が気になって、手で顔を覆いながらも、ゆっくりと顔を向けた。
