ーーーーそのとき。
「おーい、晴空(ハルク)ーーー! ボーカルどうすん…だ…よ…」
「巧(タクミ)」
いきなり男の子が現れた。
名前知らないから、「先輩」って呼んでたけど、“晴空”って言うんだ…。
なんか先輩のお友達っぽい…。
ということは、この人も先輩?
「お前…顔赤いぞ。なんかあった?」
「うるせぇよ!! なんもねぇし…。コイツ見てみろ!」
「見つけたのかボーカル!!」
「ああ。お前、コイツの前でもっかい歌ってみろ! さっきのでいいから」
急に指を指してきて。
ボーカル?
何の話?
顔が赤いことを指摘された晴空先輩は、巧って人にムキになった。
さっき、一瞬優しくなったような気がしたのに。
こんなこと言ったら怒りそうだけど、照れてたとき、ちょっとカワイかったのに…。
元に戻ってる…。
でも、やっぱり顔は真剣だった。
あたしはそんなことを思いながらも、もう1度歌った。
