私たちはニコニコと笑い合って
他愛のない話をしながら教室に入って
自分たちの席に座った。


…それにしても、ニコニコしてるだけで
こんなにも注目を集めるか??

ありえない…。


「由華、今日の放課後、いつものところ行くの??」

「うん。だって、行かないとみんな心配するでしょ?」

「それもそうだね」


いつものところって言うのは、
龍桜の倉庫。

仲間たちが今日は私たちの入学祝だー!!
って騒いでたから行かなきゃなんない。


「じゃあ、後でお兄ちゃんに伝えに行かない??」

「うん、次の休み時間にね」


私たちの話に区切りがついた直後、
裕貴が元気いっぱいで入ってきた。


「俺が今日からお前らの担任だ。
何かあったらいつでも相談にのってやるからな」


私がハハハッと苦笑いをした時、
妙な違和感を覚えた。

…いや、違和感というよりちょっと
危険な臭い…

隣から??


私はチラッと隣に座っている男子に目をやった。


漆黒の髪と瞳…。
それに、その瞳はとても鋭く、
動物に例えるなら…鷲のような…。


「…さっきから俺の顔に何かついてる??」


…っ…

気付いてた??