「で、何であんなとこにいたわけ?」
「…それは……。」
千里は俯いて黙り込んでしまった。
そんなに話したくないのだろうか。
でもまぁ、普通に考えて中学生があんな時間にあんなとこにいるなんて、一つしかないと思うんだけどね。
「家出すか?」
「……。」
…当たりかな。
「なに、親と喧嘩でもしたの?」
「…」
「中3くらいだったら、そうだなぁー…あ、わかったあれだろ!『お父さんのパンツと一緒に洗濯しないで!』とか『門限厳しくてもういや!』とか?」
「…」
「…って、そんなんじゃ家出なんかしません、よねぇ。あっはっは…は……。」
「…」
千里は黙りこくったまま、顔をあげようともしない。
また最初みたいになってしまった。
「おーい。千里ー。千里ちゃーん。怒っちゃいましたー?」
俺…なんか気にさわるようなこと言ったかな…?
「……そんな喧嘩、できるんだったらしてみたいよ…。」
「え…?」
