今日の夜、猫を拾いました。






俺も彼女も肩で息をしていた。

怒鳴りすぎて喉が痛い。


彼女は何か言おうとしたのか、口を開いたがすぐに閉じて、目を伏せた。



「…あたしはもう、そうやって生きていくしかないの……」

「え…」


振り絞って出された彼女の声は、小さく、とても弱々しかった。



「もうあたしの身体は汚いから…これから何度そうしようと変わらない。傷つくのには、慣れてる…。」


言いながら、彼女の目からは再び涙が溢れ出していた。


「全部、ぼろぼろ、だから……。」


声は震えていた。

頬を押さえる手も震えていた。


「うっ…ぅぅ…」



彼女は今まで、そうやって生きてきたのだろうか。


わかっていながら罪を重ね、平気だと自らに言い聞かせながら傷つき、生きてくために涙を流していたのだろうか。



彼女に一体何があってそうなったかなんて、俺にはわからない。


わからないから、彼女の人生に口出しすることなんかできない。


それはわかってる。


けど……。