俺も彼女も肩で息をしていた。
怒鳴りすぎて喉が痛い。
彼女は何か言おうとしたのか、口を開いたがすぐに閉じて、目を伏せた。
「…あたしはもう、そうやって生きていくしかないの……」
「え…」
振り絞って出された彼女の声は、小さく、とても弱々しかった。
「もうあたしの身体は汚いから…これから何度そうしようと変わらない。傷つくのには、慣れてる…。」
言いながら、彼女の目からは再び涙が溢れ出していた。
「全部、ぼろぼろ、だから……。」
声は震えていた。
頬を押さえる手も震えていた。
「うっ…ぅぅ…」
彼女は今まで、そうやって生きてきたのだろうか。
わかっていながら罪を重ね、平気だと自らに言い聞かせながら傷つき、生きてくために涙を流していたのだろうか。
彼女に一体何があってそうなったかなんて、俺にはわからない。
わからないから、彼女の人生に口出しすることなんかできない。
それはわかってる。
けど……。
