「お、おい…」
「っ…おね、がい…何でもする、からっ…」
「ちょっ、ちょっと待てよ…。」
俺は彼女を抱き抱えながら体を起こした。
腕の中で、彼女は両手で顔を覆って泣きじゃくっている。
正直こんなことになるとは思ってなかったから、どうしていいかわからない。
「な、何でもするってなんだよそれ…。」
彼女は腕の中から俺を見上げた。
その瞳は相変わらず不安の色でいっぱいで、涙の粒が止めどなく頬を伝っていた。
「あなたが望むなら…っセックスでもなんでもします!」
「はぁっ!?」
「だから、警察にだけは…―」
「だ、だからちょっと待てって!せ、セックスって…あんた、自分が何言ってんのかわかってんのか!?」
「体を売るだけで連絡しないって言うのなら、かまわない!!」
「……!」
「こんな体でいいのならいくらでも売る!」
「っ……」
「だから―」
バシッ――!!
気づくと…
「……っ…――」
俺は彼女の頬を、叩いていた。
