「バイバーイ、先生」

やっと静かになった。

真由「遥香?」

遥香「ん?」

真由「さっきからずーっと成瀬の方 
   見てるけど…
   話してこないの?」

遥香「な…にを?」

真由「何だっていいんだよ。
   挨拶でもいいし。」

遥香「だって…
   わざわざ挨拶しに先生の所まで行く?
   不自然だよー!」

真由「へたれ。」

バカにしたような笑いで
あたしに言ってきた。

遥香「へたれじゃないもん!
   これでも告ったことあるから。」

真由「ドヤ顔で言わないでくれない?
   あ、行っちゃうよ?」

遥香「えっ」

成瀬先生がいた方向を見ると
あたし達の教室とは反対に歩いて行く。

『話したい。』 『触れたい。』

先生を見るたびにいろんな欲が湧いてくる。

先生と話せただけで
1日が楽しく感じられる。

逆に話せない日は
なんだか気分が上がらない。

あたしの気分は先生によって
変わるんだ。

そのぐらい好きになっていたみたい。