元カノ…

あたしはどうして
先生の聞きたくなかった過去を
自分から聞いてしまうんだろう。


先生と見たことのない彼女であった人を
想像してみたら
胸の奥がチクリと痛んだ。


遥香「そうなんですか…。」


自分の声が震えていることに気付いた。


成瀬「おう…。」


先生をふと見るとあまりにも
切ない顔をしていて見ていられなかった。


先生はまだその彼女をまだ愛していて
心の中は彼女の色で染められているんだろう。


別れたくて別れたんじゃないもんね。



あたしの色に塗り替えてしまいたい。


あたししか見ないでほしい。


あたしを…


―愛してほしい