ラジオの洋楽が流れている。


先生の車は『大人』って感じがして
すごく緊張する。


成瀬「あ…。」


先生がいきなり声を出した。


遥香「どうしました?」


成瀬「俺お前の家知らない。」


遥香「え!?
   あっ、あたしのクラスじゃないからか。」


成瀬「まぁな。」



スライドガラスから外の風景を見た。


…あれ?


遥香「せ…せんせ?」


ここあたしの家と正反対の場所なんですけど。



成瀬「ん?」


遥香「あたしの家知らないのにどこ向かってるの?」


成瀬「着いてからのお楽しみ(笑)」


遥香「帰んないの?」


成瀬「親御さんに遅くなること伝えとけ。」


疲れてるから帰りたかったけど
先生がどこかに連れて行ってくれると思うと
嬉しさで疲れは吹き飛んだ。