「俺は内田義仁です」
「ちょっとまて、どれが名だ?ウチダヨシトが名か?長いな・・・」
「あ、内田が苗字で義仁が名前です。」
「ややこしいな。」
「小童で十分だ」
「そう言ってやるなホロ。名にも意味があるんだ。自己紹介はよいから呼び方だけ紹介しろ」
「じゃ、俺のことは義仁でお願いします」
「ヨシトは・・・リキに似ておる。」
「お嬢・・・。」
「すまぬ、いらん話をしたな。次はどいつだ?」
「私がします!由紀と呼んでください!」
「ほぉ、響きの良い名だな」
この人は人の自己紹介をやけに楽しそうに聞くな。
まるで、名前に馴染みがないようだ
「俺か・・・。俺は渡辺蓮司だ。蓮司でかまわない」
「レンジか・・・きっと深い意味のある名なのだろうな」
そう呟いた彼女の表情は悲しみや羨ましさが入り混じったものだった
「俺達の紹介は済んだぞ。あんたらの番だ」
「つくづく小生意気な小童だ。あまり調子に乗るなよ。」
そう言って唸る犬
というかなんか狼に近い
怖いからこっち見ないでほしい
「ホロ。落ち着け・・・自己紹介くらいしてやれ」
「チッ。ホロだ。俺は小生意気な餓鬼が大嫌いなんだ。いつでも噛み殺してやる。」
「ハハッ。物騒な奴め」
楽しそうに話す彼女は最初の時よりいくらか話しやすくなった気がする
「さっきの条件のことだがな・・・」
「待てよ。あんたの名前聞いてないぞ」
「私か?私に名などないぞ」
その言葉に俺達はそれ以上何も言えなくなってしまった
「名前がないってどういうことですか?」
「由紀と言ったな小娘。お嬢の過去を知る必要はない」
「そうは言っても呼び方に困るよ」
「ふむ。呼び名か・・・街のものは魔女と呼ぶな。餓鬼共には姐様と・・・ホロにはお嬢だし・・・。」
「俺達が名前を付けるってのはどうかな?」
「調子に乗るな小童。名を付けることがどういうことかわかっておるのか!」
少し声を荒げて言うホロ
「まあ、待てホロ。こやつらは人間だ何も知らなくて当たり前だとは思わぬか?」
「あの、どういうことなんですか?俺・・・何かいけないことでも?」
「この世界には名の無いものがたくさんおる。何もおかしいことではない。ただ、厄介でな。名を付けるということはその者の命を預かることになるんだ。簡単に名付け親になるものではない」


