車は、会社には寄らず、洸輝のマンションへ向かった。 「それでは社長、今日はごゆっくりしてください」 「ああ。美由も、しっかり休めよ?」 「はい。では、また明日」 おい、おい~! あたしには? 挨拶もしてくれないの? 美由は洸輝に笑顔を向けると、車に乗り込んで走り去る。 何なのよ、あの人は…。 「行こう、亜美」 ようやく、あたしを思い出したかの様に、洸輝は手を繋いできた。