「原因は、
そんとき一番調子こいてた、
学年のガキ大将的なヤツの
好きな女子に
オレが好かれてたから。

髪は地毛でこんな茶色いし、
教師にもたぶん可愛がられてるほうだったし、
いろいろと気に食わなかったんだろうな。

毎日、髪ひっぱられたり
もの隠されたり
変な噂ばらまかれたり
机に
ひでぇ落書きされたりさ。
コイツらって、ほんと
なんでこんなガキみてぇなことすんだろう、って思った。

オレんち両親が共働きでさ、
帰ってくる時間も
毎日夜遅いし、心配かけたくなかったから
相談は一度もしなかった。

でさ、
最悪だったのが
そんときのクラスの担任。
オレがいじめられてんの
知ってたのに、
いつも見て見ぬフリだった。
そんときからかな、オレが
人をあんまり信じれなくなったのは。」