「‥‥こんにちはー。」 重い金属製の扉を引く。 扉の軋む音からも、所々にサビの浮いた外見からも、 かなり古い物であることが分かる。 ここは、校舎からグラウンドを突っ切った先にある部室棟、通称アパート。 部室棟と言っても、そのずらりと並んだ扉の向こうの空間のほとんどは、 運動部の部室という名の倉庫だ。 そして余った空間のいくつかは、 活動しているんだかしていないんだか分からないような弱小文化部に部室としてあてがわれている。