「けー‥‥‥山城、こそ。 私はちょっと‥‥‥落とし物しちゃったから、探しに‥‥‥」 けーちゃん、蛍、と呼び合っていたのは小学校の始めのうちだけ。 びっくりして思わずけーちゃんと呼んでしまったが、 小4か、小5くらいからはお互いに気恥ずかしくなって、 周りのみんなと同じように名字で呼び合うようになった。 「落とし物ってもしかして‥‥」 これ? とけーちゃんが差し出した手にぶら下がっていたのは‥‥‥ 私の、大事なネックレスだった。