――――― ――――――――― 「‥‥‥ない。」 私は泣きそうになっていた。 更衣室中を探し回り、着替えに来る前にどこかに落としたのかもしれないと、 更衣室から教室まで、目を皿のようにして探しながら来た。 でも目の前にはもう教室のドア。 廊下にも階段にも、どこにも落ちていなかった。 早く帰らないといけないのに‥‥