「こっちこっち!」

時雨くんは、楽しそうに案内してくれる。
走ることが好きみたい。

「ねえ、湊!俺たち、もう友達?」

「えっ?」

「まだ違う?じゃあさぁ、友達になろうよ!俺のことは時雨でいいからっ!」

「うん。いいよ!僕のことは湊って呼んでね。」


時雨は満面の笑みを浮かべて「よろしく」って言った。

それからまもなく目的地に着いた。

あれ、此処って私の部屋の隣じゃ!?

表札には、『遠矢』と書かれていた。
遠矢さんってかたが私のお隣さんかぁ、迷惑かけてほんとにすみません…


「ここの人だよ!おーい!雅大ーっ!」


!?!?
雅大!?
いま、雅大って言った??
まさか…きっ…聞き間違いだよね…


ガチャン

「なんだ、時雨か。」

「なんだじゃないよ!!」
「湊が雅大に用があるんだって!」