そういえば…
さっき助けてくれた男の子は、誰かだったんだ?

足の痛みと恥ずかしい思いに全然顔を見てなかった。せっかく助けてくれたのに相手の顔すら見れずに、私ってホントに失礼な人だなぁってつくづく思う。


だから、早くその人を探して改めてお礼をしたいな!

おっ!
人発見!!

「あ…あのっ!!」

「俺?なにか用、湊ちゃん?」

「ちゃん?ってか、名前なんで知って…?」

「知ってるよ。もうだいぶ有名になってるよ、その名前。」

有名!?
なんでまた、この私が??
できるだけ目立たないようにしようって心にきめていたのに…

「まっ…まさかぁ〜。あはは…あなたの名前は?」

笑ってごまかしつつ、すらっと長身のいわゆるイケメン男子に名前を問いかけた。

「俺の名前は鏡音柊(かがみねしゅう)柊でいいから。ちなみに2年。」

「じゃあ、柊先輩で…。」
やっぱり、先輩だったか。落ち着いているし、しっかりしてそう。
きっとモテモテなんだろうな。