―――ー…

桜が咲き、優しい風が私の前髪をなびく…
私は、その風と共に新しい学校の校門をくぐった。

その学校は、奏咲南(かなさくみなみ)高校。





私は、一ノ瀬に送ってもらった後、一つの決心をした。
一ノ瀬に責任を取ってもらうために…

その決心とは、奏咲南高校に入学すること。

一ノ瀬は奏咲北高校に入学するといっていた。
奏咲南と奏咲北は、バスケが盛んでよく練習試合や公式戦であたるらしい。
それを聞いて私は、奏咲南に入学することを決めたんだ。

…?
それに決心はあまりいらないじゃないかって?

いるんだよ。

だって…



奏咲南は…

『男子校』なんです。

だから、私は、髪をショートカットにしてメガネをかけて、出来るだけ男の子っぽく振る舞っているつもり。