「由良おはよー!そして誕生日おめでとう。はい、プレゼント!」


教室に入るとさっちゃんが、ラッピングされたピンクの小さな箱をくれた。


「うわあ、ありがとう!開けていい!?」


「どーぞ?」


さっちゃんはこの学校で唯一、あたしが心を許せる相手。

家のことを分かってくれてて、宗太郎への気持ちも理解してくれてる。


しっかり者のさっちゃんに、いつも助けられてるの。


「キャーッ!かわいいネックレス!」


「由良の家の人達は、きっとこんなのくれないだろうなと思って」


本当にその通りで。

朝から奴らにもらったのは、金色の木刀だとか、外国製のナイフだとか、女子高生が持つ物ではなかった。