パチパチパチパチ


気が付くと、さっきまで酔い潰れてた親父二人が笑顔で手を叩いてた。

その後ろで組の奴らも涙目だし…!


「酔ってたんじゃないの!?」


驚くあたしとは違い、当然のようにお父さんが答える。


「俺らが本気で酒に負けるとでも?」


い、言われてみれば…料亭であんなうるさくしたのに、ピクリとも動かなかったのは不自然だ。


……最悪だ、色んな意味で。


「いやー、桜組の将来が安泰ということは、我が楓組も安心しますわ」


結局、どっちの親父にもメリットは絶大だってことか。


「お嬢!よかったですね」


「俺らもさっき芝居だって聞かされたんすよ」


コイツらはいつも、あたしの幸せを自分のことのように喜んでくれる。