「由良さん…どこか痛いとこはありませんか?」


優しい声も全部全部あたしを安心させる。

あたしは宗太郎以外考えられないのに…っ。


「宗太郎…キスして…アイツの記憶消してよ」


わがままなのは分かってる。

あたし達は恋人でも何でもない。


「……それはできません」


分かってても辛い。

そんな言葉聞きたくない!


「何で?…ヒック…あたしのこと好きじゃないから…?」


もうここまできたら、これ以上の最悪はないよね?


「そういうわけじゃ…」


「じゃあ何で!?」


悲しみと怒りが混ざり合い、自分でも自分が分からなくなってた。


「……由良さんにまた怖い思いをさせるかもしれない」