「たのしかったなあ、海!」
「うん!うちが行きたい言うて正解やろ!な、大樹!」
「せやなぁ。センスあんな、哀羅」
私は大樹に向けて、にひひと笑った。
「じゃあ、送ってくれてありがとな」
「ああ。明日先生に一緒に怒られよな」
「…うん!大樹好き!」
「俺もやで?」
私たちは唇を重ねた。
「…じゃな」
「うん…」
私はいつまでも大樹の後ろ姿を見つめた
「おかえりなさいませ、哀羅さま」
「ん、ありがと」
一斉に頭を下げるお手伝いさん。
私のお父さんは、全国で有名なブランド、【パウンド】の社長。
つまり…うん、お金持ち?
「哀羅は帰ってるのか?」
お父さんが私を探しに来た。
学校から電話が来たんだろう。
「パパ、ただいま」
「お前な、学校行ったのか?」
「行っとらん」
「どうせあの八百屋の汚い息子とどっかに行ってたのだろう」
きたないって!
「パパやめて!なんでそんな事いうの?大樹をバカにするな!」
「なんだ、その口のききかたは!」
ああ、父親って、なんでこんなにうざいのかな。


