「…大樹いぃぃぃい!」

「ははっ!よーしよーし」


もう、大樹ったら…大好きだー!



私たちは確かに幸せだった。

大樹は電車の切符を買って私に渡した。
少しして、海に着いた。

私は待ちきれずに海へ走った。

「んー!うーみーだあー!」

「はしゃいで転ぶなよー!哀羅!」

「転ばないよー!あはは!…きゃ」

視界が揺らいだ。

「哀羅っ!」

ばんっ!


私は地面に叩きつけられた。
それと同時に全身に激しい痛みが襲いかかってきた。

「いったあ!………うぇーん…」

「哀羅!泣くな!だいじょぶか?」

「…いーたーいーよおー」

「おちつけ。大丈夫、大丈夫」


私は大樹の胸で深呼吸をした。

「はぁ…っ。ん?もう痛くない」

「そうだよ。哀羅は強いだろ?」

「うんっ!大樹、ありがと」



大樹の口癖は、強いだろ?なんだ。
私のわがままも聞いてくれる。


自慢の彼なんだよっ



「おんぶー」

「おんぶ!…いーぞ、乗れ」