「たーいーきーーー!」


私はいつもどーり、このボロい家にすんでるバカに届くように叫ぶ。

そしたら、バカが笑顔で窓から顔を出し手を振る。
これ、私の朝の始まり。


「おはよー!哀羅ぁっ!」


私も笑顔を見せる。

大樹は飴をふたつ持って出てきた。


「はい、哀羅のぶん」

「お、ありがとな」


私はコロンっと口にいれた。


「ん!おいひー」

ほのかなイチゴ味だった。



「大樹ー」

「ん?」

「海行きたい」

「うん………えっ!」

「バカ大樹!海行きたいって言うてるやろ!本物のバカか」

「学校だろ?」


…大樹のバカ
私は大樹といっしょにいたいのに。

なんで気づかないん?

嫌いになってやるんやから

「…大樹のバカバカバカバカバカバカ」

「哀羅……。…ほな行くか!海!」


「…え?」



「哀羅が可愛いからつれてっちゃる!」