俺のこと、好きなくせに

「うっうぅ…。えっ」


涙があとからあとから溢れて来て、膝に抱えた鞄にポトポトと落ちる。


さらに鼻水まで垂れて来た。


俺、今、すっげーキッタナイ顔を晒してんだろな。


やっぱ、あのまま帰らなくて正解だった。


こんな形相で自転車漕いでたら、変質者かと思われちまう。


視界もすこぶる悪いしな。


瞳。


お前って、ホントにヒドイ奴だよな。


こんな場所で俺を1人で泣かせて。


あまりにもささやかで、美しい想い出ばかり残して。


俺のこと、好きなくせに……。




お前は俺を置いて、もうすぐこの世界から、いなくなるんだ。