「あ、ありえん!旧型が!」

目を見開いたニューホッパーの胸に、和幸の右足が突き刺さった。

「私は…新型だ」

そして、ゆっくりと和幸の右足が抜けると落下し、地上に激突する前に、爆発した。

「や、やったのか」

地上に着地した和幸は、ふらつきながらも立ち上がった。

「やった…」

真理亜は子犬を抱き締めると、和幸のもとに駆け寄ろうとしたが、足を止めた。

資材置き場の木材の山に、2人の男が立っていたからだ。

「同じ…」

その姿は、和幸そっくりだった。

和幸は変身を解き、2人を見上げた。

「あんたらが…やつらの敵か」

右に立つ銀色の手袋をした男が、口を開いた。

「君のことは感じていた。しかし、君が自ら己を認め、戦う覚悟を持つまでは接触を避けていた」

「あんたらは」

和幸がきく前に、真理亜が口を挟んだ。

「あたし達を襲ったやつは誰ですか!そして、あなた達は!」

右側の男は、少し真理亜を見つめた後、話し出した。

「やつらは、この国の兵士。いや、この国を影から操る組織が、人々を拐い、改造した兵士。そして、我々はやつらに改造されたが、その力で人々を守る者達」

「組織。やつらは、民衆を騙し、政権を取った。しかし、それは、国民が選挙で選んだ結果」

左側に立つ赤い手袋をした男が、口を開いた。

「例え、やつらがこの国を牛耳ろうと我々は、戦う。我々しかできない方法で」

「だとしたら!敵が国だとしたら、あたし達は!」

真理亜は、叫んだ。

「君達には君達にしかできない戦いがある。やつらが、政府なら再び政権を変えてやればいい」

「野党には、我々の支援者もいる」

「そして、できれば!」

銀色の男は、和幸を指差し、

「君しかできない戦いをやってほしい」

頷いた。