キスしてよ



「………ほんと??」


綾奈はまだ真っ赤な顔のまま、上目遣いでオレに聞いてきた。


「ははっ…本当だよ」


返事は普通に返せたけど、握っている手を更に握ってしまい、動揺は隠せなかった。


ほんと……可愛すぎだっつの。



「オレん家、ここ。」


バイト先だったカラオケからは結構近い。

オレは鍵を取り出し、玄関を開ける。


「お邪魔します…」