「いや、って言ったらどうする?」


震える声で、そう訊いた。


「困る」

君は淡々と言う。
…お願いだから、そんな事言わないでよ。


「離れたくないけど、困らせたくもない」

「じゃあ別れて」

冷たい目が、あたしを見下ろす。
こんな凍りついた瞳を持ってるんだね。

足がすくんで、立ち上がれなかった。


「どうしてなの?」

「重い女、疲れるし嫌いなんだ」

聞いたことのない低い声で君は言う。

怖い。怖い。怖い。





…どうして。