「好きだけど、別れたい」 そう言ったあたしを呆然と見つめる君。 涙を溜めて、君は言った。 「留衣が決めたなら、何も言えないけど、 俺は留衣が好き。別れたくない。女絡みで 留衣のこと傷つけたよな。本当にごめん」 君の声は震えてたよ。 ひたすら謝る君を前に、 あたしは絶句した。 愚かな行動。 自分のわがままで、どれだけ君を 縛りつけつけたんだろう。 苦しめたんだろう。 あたしの体は、もう勝手に動いていて。 気づけば君を、抱きしめていた。