天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅣ

住む村を滅ぼされ、何とかその強力な存在と刺し違えたものの、男は最早先はない。

残る力を振り絞り、男は噂に聞いた天神にやって来た。

託すは己が可愛がってきた愛猫。

いまや物の怪となった猫だが、彼女にだけはもっと生を謳歌して欲しいという。

男の願いを聞き、花王は愛猫を確かに預かると約束した。

…男の亡骸は、桜の木の下…花王の本体である神木、江戸彼岸の下に埋葬した。

それでも尚、優しすぎるのか。

男は霊体となって、時折この天神に姿を現す。

そんな出来事があったのが、数十年前の話。