天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅣ

天神の桜の園の入り口。

一人の男が倒れていた。

まだ若い男。

酷い火傷を負い、二目と見れぬ顔になっていた。

全身にも酷い傷を負い、今や半死半生。

只の人間ならば、ここまでの傷を負う前に既に命を落としているであろう。

抱き起こした花王に対し、男は言う。

彼は住む村を丸ごと、強力な存在に焼き払われたのだという。

その存在が魔物なのか、人外なのか、超常の力を持つ者なのか、そこまでは語らない。

しかし、有能な『結界使い』として名を馳せたその人間の男でさえ防ぎきれぬほどに、その存在は手強かったのだという。